2022.08.16

FXのレンジ相場での最適なリスクリワードとは

こんにちは、元金融機関のプロ為替ディーラー
沖縄トレード学院 学院長の新里竜一です。

投資の利益、損失は「利食い」「損切り」で決まる

FXは、取引結果として利益か損失という結果が出ますが、取引を開始した価格から「どこまで動いたら利益を確定する」という利食い幅と、「どこまで動いたら損失を確定する」という損切幅を設定する必要があります。

この利益と損失の値幅の対比を「リスクリワード」と言います。
取引をしていると最適なリスクリワードはあるのかという疑問が出てきます。

このリスクリワードは実は

・どういう相場で
・どういう手法を使うか

によって最適値が異なります。

今回は、レンジ相場での最適なリスクリワードについてお伝えします。

手法によって異なるリスクリワード

最適なリスクリワードは手法によって異なりますが
たまに「利益3」に対して「損失1」の
3対1のリスクリワードが良いという話があります。

それは本当でしょうか?

実のところ、「3対1のリスクリワードが答えです」とは言い切れません。
むしろ、すべての手法に当てはまることはないので嘘と言ってもいいかもしれません。

例として

・1ドル100円→110円→120円と一方向に価格が上昇し続ける
 あるいは下落し続けるトレンド相場

・1ドル100円→110円→100円と価格が往復するレンジ相場

・歴史的暴騰、急落などで価格が市場参加者の想定を超えるほどの
 値動きの後、全く値動きの勢いが無くなる
 セリングクライマックス、バイイングクライマックス

ざっと上げると3通り、さらに細かく分類すると
値動きの種類は複数ありますが

価格の値動きのパターンによって
リスクリワードを動かす必要があります。

・リスクリワード3対1は
 どの相場状況で使うのが最適なのか

これを考える必要があります。

また、利益を残し続けるにはリスクリワードだけではなく
「勝率」も関わってきますので、手法別の
リスクリワードと勝率と合わせて解説します。

レンジ相場での最適なリスクリワード

結論から言うと、レンジ相場で利益を得るための
リスクリワードは2:1(損失:利益)などが最適なことが多いです。
理由としてはレンジは価格更新しないことが前提ですので
価格が上昇したらすぐに下落する、という傾向があります。

よって利益が出たら素早く決済することが
勝率を高める手法になるため、利益の額に対し
損失の比率大きくなる傾向があります。

レンジでのリスクリワード3対1
→価格が3まで届かず損失になることがある

リスクリワード2対1
→価格が2まで来たら利益にする。

このようなイメージですね。

ヨコヨコで動かないレンジ相場

レンジ相場の場合は、単純に

「下がったら買って、上がったら売る」

という取引で利益を得ることが可能です。

しかし、一方向に動かないので利益の値幅は小さく、
また多少損失が膨らんでも戻ってくることを想定しています。

利益を出すためには損切幅は
利食い幅よりも大きくした方が良いという
トレードルールになることが多いです。

レンジ相場で有効なテクニカル指標の代表例は
オシレーター系のRSI(相対力指数)などです。

では早速、自動売買システムで検証してみましょう。

損失額が大きくても利益になる理由

この画像は、本日の1ヵ月前の
2021年5月14日からRSIの数値が

30を下回ったら買って
70を上回ったら売る

という取引を自動売買システムで検証し、売買を繰り返した結果です。


・資産:250%増(10万円→25万円)
・取引回数 32回

<売買条件>
・通貨 ドル円
・5分足
・期間 2021年5月14日~6月14日
・ロット 10万通貨固定
・勝率 75%
・最高利益 約3.5万円
・最高損失 約7.5万円
・平均利益 約1.4万円
・平均損失 約2.2万円

結果はスタートから資金2.5倍増加と
しっかりと利益が出ています。

勝率75%の威力

リスクリワードは損失と利益幅の比率なので、損失と利益の差をみると分かります。

今回の取引はざっくりとですが
損失は利益の約2倍となっており

リスクリワードは2対1
(利益を損失で割ると0.5)となっております。

利益より損失幅の方が
大きいという結果となっております。

しかし、損失の幅が大きくても
10万円の資金が25万円になりました。
その理由は勝率が75%と高いからです。

利益が出る勝率とリスクリワードの関係

下記は、利益を出すために
必要なリスクリワードと勝率を組み合わせた表です。

表をみると、利益を損失で割ったリスクリワードレシオが
0.5の場合は約67%以上の勝率があれば利益が残ることが分かります。

レンジ相場でのリスクリワードまとめ

今回お伝えしたレンジ相場でのリスクリワードは2対1でしたが、重要なのは下記の考え方です。

・リスクリワードだけではなく勝率とセットで考える
・手法によって最適なリスクリワードは異なる

2つのことを考慮して自分の取引を計画してみると
目の前の損益に振り回されず継続した取引ができ
安定した結果に繋がるはずです。

当学院受講生はこのように自動売買システムでの検証や
個人投資家育成コースでリスクリワードやその他の
投資の基礎をしっかり学んでから投資を行っています。

投資で大切なことは

「投資が理解できるまでは投資しないこと」
「投資を理解するために学ぶこと」

それができてから投資を始めても
決して遅くはありません。


沖縄トレード学院
学院長 新里竜一

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